最近のトランプは、経済が自身の成果であると主張しています。
GREAT JOBS REPORT!
— Donald J. Trump (@realDonaldTrump) December 6, 2019
JOBS, JOBS, JOBS! https://t.co/lWqvRNJDOW
— Donald J. Trump (@realDonaldTrump) July 5, 2019
トランプは自身の政権下での経済の向上、雇用の増加、それにより強いアメリカを取り戻したのだと主張しています。今日の一般教書演説の中でも、そのように訴えていました。
実際にトランプ政権下では雇用数は確実に増加しているのですが、経済成長をしていれば雇用が増えるのは当たり前のことです。雇用の創出が政権の成果・強さであると主張するには、他の政権との比較が必要となることでしょう。
そのため、今回は筆者がアメリカ合衆国労働省統計局の公開しているデータを元に、各政権が創出した雇用数を比較してみたいと思います。そしてその比較から面白い事実が明らかになりました。
1969年以降の歴代政権による雇用創出ランキング
今回は1969年に発足した第一次ニクソン政権以降50年間の各政権の最初の35カ月間での雇用数の変化を確認してみたいと思います。トランプ政権が2017年1月後半に発足した政権なので、最初の35カ月での比較となります。
そして、この期間にあった13の政権によって創出された雇用数をランキングにすると以下のようになります。
1位 カーター政権(1977年2月〜1979年12月):998万人
2位 第二期クリントン政権(1997年2月〜1999年12月):914万人
3位 第一期クリントン政権(1993年2月〜1995年12月):853万人
4位 第二期オバマ政権(2013年2月〜2015年12月):784万人
5位 第二期レーガン政権(1985年2月〜1987年12月):729万人
6位 トランプ政権(2017年2月〜2019年12月):669万人
7位 第二期ジョージ・W・ブッシュ政権(2005年2月〜2007年12月):562万人
8位 第一期ニクソン政権(1969年2月〜1971年12月):267万人
9位 第二期ニクソン政権及びフォード政権(1973年2月〜1975年12月):240万人
10位 第一期レーガン政権(1981年2月〜1983年12月):120万人
11位 ジョージ・ブッシュ政権(1989年2月〜1991年12月):117万人
12位 第一期オバマ政権(2009年2月〜2011年12月):-116万人
13位 第一期ジョージ・W・ブッシュ政権(2001年2月〜2003年12月):-211万人
いかがでしょうか。トランプ政権は過去50年間に発足した13の政権の中では6位でした。6位ならば頑張っている方だと思われるかも知れません。
しかし、これらの中で平時にあった政権は7位の第二期ジョージ・w・ブッシュ政権より上の政権だけで、下位の政権は以下のイレギュラーな状況による景気後退に直面していました。
第一期ニクソン政権:ベトナム戦争からの撤退
第二期ニクソン政権:第一次オイルショック
第一期レーガン政権:第二次オイルショックと金融市場の大混乱
ジョージ・H・W・ブッシュ政権:連邦準備銀行の利下げ拒絶、イラクのクウェート侵攻
第一期ジョージ・W・ブッシュ政権:ITバブルの崩壊、9.11
第一期オバマ政権:リーマンショック、世界金融危機
これらの危機への対処に追われていた政権に比べれば、トランプ政権の3年間は遥かに安定しています。しかし雇用の成果を主張する割には、平時の7つの政権の中でトランプ政権は6番手の実績しか出していないのです。
つまり、トランプが度々自身の成果として主張している雇用政策は、あのブッシュJr.の頃と比べて少しマシ、程度のものに過ぎないという事になります。
筆者は経済や雇用の専門家ではありませんので、この比較が必ずしも正しい見方であるかは分かりませんが、労働省の記録をまとめてみた所ではこのような結果となりました。
トランプが主張する成果は、もしかしたら極度に誇張されたものなのかも知れません。
引用