5月25日にアフリカ系アメリカ人のジョージ・フロイド氏が白人のデリク・ショーバン元警察官により殺害された事件により、今や全米で警察に対する抗議運動が広まっています。
ショーバン元警察官はフロイド氏を路面に組み伏せ、その首に膝を乗せて頸部を圧迫し続けました。フロイド氏は何度も「息が出来ない」と訴えながらも、元警察官はその訴えを無視し続け、遂にはフロイド氏を殺害してしまいました。
そしてその抗議運動の一部は暴徒と化し、警察署や無関係な店舗を破壊・略奪しており、その様子は日本のテレビなどでもしばしば報道されています。
今回は、筆者の知人から送られてきた現地の様子を収めた写真を、このブログで掲載したいと思います。



ミネアポリス市の南部を走る幹線道路ハイアワサ・ハイウェイの周辺地域の様子です。
ジョージ・フロイド氏の暴行死は、ミネアポリス市の南部、38th Street and Chicago Aveという交差点で起こりました。
抗議活動を行う人々から破壊活動を変わった時、初めは略奪が行われ、最悪の場合は建物に放火をされてしまいます。




放火で全焼しなかった建物も、このように外装を破壊されたり落書きをされています。
ここで落書きされている F**K 12 や FTP とは F**k the Policeを意味し、つまり警察を罵倒するスラングです。



また破壊は店舗や警察署、その他公共施設のみならず、民家やインフラにも及んでいます。
二枚目の写真は破壊された民家で、塀の張り紙には「共通の敵は暴力だ。我々お互いは敵ではない。」と書かれています。
三枚目の写真は電柱が破壊された様子の写真です。これにより近隣の地域では停電が起きている可能性もあります。

この店はスカンジナビアのお土産物を販売している店です。(ミネソタ州はスカンジナビア半島から移民を先祖とする人が多い)
この店は初めの暴動時にガラスなどを破壊され、その後はこの様にバリケードを設置しました。そしてその板の上に「私達人類は一つの家族だ。私達はあなた達の高潔さを知っている。そして私達はあなた達の悲しみを共有している。」というメッセージを載せています。
右下には一言、ジョージ・フロイドという名前だけが落書きされています。


46番通り駅の近くにある、ウォルグリーンというドラッグストアです。店内は完全に略奪・破壊されています。

これは破壊された郵便局です。警察とは無関係の公共施設も破壊されてしまい、郵便局の配達業務が停止されています。今回写真を提供してくれた人は、このように近隣の郵便局が破壊されてしまったことで、物品や手紙を送る事が出来なくなってしまい、生活に大きな支障が出ていると語りました。
一方で、当たり前ですが全ての抗議活動が暴力を伴う物ではありません。むしろ多くのデモは平和的に行われています。

1つ目のビデオでは「撃たないでくれ」と叫ぶデモ隊の様子が記録されています。

最後に、ジョージ・フロイド氏が殺害された現場の今を伝える写真です。
彼が殺害される前に立ち寄っていた商店の壁には、フロイド氏の肖像が描かれ、その前に数え切れない数の花束が供えられています。

Googleストリートビューで見ると、以前この壁にはのどかな牧場と食べ物が描かれた事が分かります。

現在描かれているジョージ・フロイド氏の肖像の後ろには、Say Our Namesという言葉と共に、2016年に隣町のセントポール市で射殺された黒人フィランド・キャスタイル氏や、同年にオクラホマで殺害されたテレンス・クラッチャー氏を始めとした、フロイド氏と同じ様に丸腰にも関わらず警察の暴力の犠牲となった黒人の名前が列挙されています。
そして彼の胸元には「I can breath now. 今、息ができる」と記されています。