現在進行中のウクライナ危機において、インターネットを介した情報戦が注目されていますが、そのような中で国際的なハッカー集団、あるいはハクティビスト集団とされる「アノニマス」はロシア政府に対してサイバー戦争を開始した事をTwitter上で宣言しました。
以下はガーディアン紙の記事からの引用となります。
アノニマスからこの宣言が出たのは2月25日のことでした。
以降の数日間で、アノニマスはロシア国内におけるインターネット上複数のインシデントやサイバー攻撃に対する犯行声明を出しています。
複数のロシア政府や、政府による報道サービスをダウンさせました。またロシア国防省のデータベースをハックしたとの情報もあります。
更にアノニマスはロシア国内の国営テレビ放送をジャックし、ウクライナ国内での戦争の様子を流したといいます。
アノニマスというグループの性質上、これらの攻撃をその集団全体によるものであると定義するのは難しいようです。米国におけるサイバーセキュリティーの専門家であるジェイミー・コリアー氏は以下のように語っています。
「ターゲットとなっている政府などは関連する技術的なデータの公開に消極的であるので、これらの活動をアノニマスによるものであると直接的に結びつけるのは難しい。しかし、アノニマス集団は過去にこの種の活動を行った実績があり、そういった能力を持っている事は明らかです。」
アノニマスは米国内においては2010年代初頭に逮捕者が出た事からこういったアクティビズムからやや距離を取っていましたが、2020年のジョージ・フロイド事件で復活したとされています。元アノニマスの関係者はその理由を「反抑圧」という行動原理にあるとしています。
RT(Russia Today、ロシアの国営放送局)は同社のウェブサイト上で起きている問題をアノニマスによるものであると明かしました。また、アノニマスによる「宣戦布告」以降、アメリカからのサイバー攻撃を受けているとしています。
RTの発表によれば「アノニマスの宣言以降、RTのウェブサイトは数百万以上のデバイスによる膨大な数のDDos攻撃の対象となっており、その多くは米国からによるものである」とされています。
引用・参考元